バベル


ー私たちは未だ、つながることができずにいる・・・。ー


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☆cast--------------------------------------
ブラッド・ピット
ケイト・ブランシェット
ガエル・ガルシア・ベルナル
役所広司
菊池凛子

☆crew------------------------------------
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリ    トゥ




☆ストーリー------------------------------------

 モロッコを旅するリチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)。壊れかけた夫婦の絆を取り戻すため、二人の子供をメキシコ人の子守りに託し、遥々アメリカからやってきた彼らを、悲劇は突然に襲った。観光バスでの移動中に、どこからか放たれた銃弾が、スーザンの肩を打ち抜いたのだ。瀕死の重傷を負った彼女を救う為、奔走するリチャード。しかし、言葉も通じず、アメリカ政府の対応も遅れるなか、彼の苛立ちは限界に達していた・・・。
 同じころ東京では、聴覚に障害を持った女子高生のチエコ(菊池凛子)が、満たされることのない毎日に苛立ちを感じ、無軌道な日々を送っていた。ある日、そんな彼女の元に刑事たちが訪れる。彼女の父親(役所広司)がかつて所有していた銃が、遥か遠いモロッコでの殺人事件に使用されたというのだ・・・。
 モロッコ、メキシコ、東京、様々な人々が絡み合い、やがてつながる彼らの運命とはー?

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☆感想----------------------------------------

 それぞれの国のそれぞれの人々が複雑に絡み合い、やがてひとつになるこの物語。描かれる時間軸も順番通りというワケではないので、観る人によっては少し難解かもしれないけど、次の展開が読めない分、最後まで引き込まれてしまう。
 
 かつて、人々は一つの言語を話すことで繋がっていた。しかし、天まで昇る塔(バベルの塔)を建ようとしたことが神の知るところとなり、怒った神は、人間たちに多種多様な言葉を与えることで、お互いを理解できないようにしてしまった。
 
 世界中に様々な言葉がある由来を示す、この逸話。映画の中でも、アメリカ人の夫婦が旅先のモロッコで、聴覚の障害を持った少女が日常の中で、言葉が通じず意思の疎通がうまく図れないもどかしさが描かれている。しかし、根底にあるのは、言葉というよりは、もっと深い意味合いでの心のすれ違い。例えば、ある事情により絆が壊れてしまったアメリカ人夫婦のように、娘の苛立を、父親の苦悩を理解できない東京の親子のように、言語は同じでもお互いを分かり合えないでいる人々。同じ行為、同じ物に対しても、その人の生き方や、文化、環境によって、捉え方は様々。そんな違いから生まれるお互いへの先入観が、人々の理解を隔てているのではないのだろうか? 
 
 聖書をベースにしてあるので、いまいち難しく、全編を通して、人々の生活がリアルに描かれているせいか、希望を残したラストすらも、どこか痛々しい。
 
 個人的には、イニャリトゥ監督をもっても、性を描く時は制服の女子高生なんだ・・・。というのが、正直なところ。聴覚の障害や、母親の自殺というだけでも、彼女の内面の苛立ちや複雑さは表せたように思えるのだけど、さらに思春期特有の不安定さという要素もこの役には必要だったのかな?
 
 演じた菊池凛子の演技は、評判通り、陰と陽を持ち合わせた複雑なキャラクターを見事に演じきっていたけど、メキシコ人の子守りや、モロッコの兄弟程、強い印象はなかったようにも思われた。
 
 答えのでない問題を投げかけられたような、複雑な後味を残す作品。

♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_19502293.jpgバベル-オリジナル・サウンドトラック
メドレー: 美貌の青空/坂本龍一
 壮大な舞台にぴったりのこのスコア。サントラ自体は、藤井隆や、リップス・ライムなど意外な選曲を含む、バラエティー溢れる内容。
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# by mi-ai-you-me | 2007-05-05 19:51 | ハ行

スパイダーマン3


ーもう一人の敵、それは「自分」。ー


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☆cast--------------------------------------
トビー・マグワイア
キルスティン・ダンスト
ジェームズ・フランコ
トーマス・ヘイデン・チャーチ
ブライス・ダラス・ハワード

☆crew------------------------------------
監督:サム・ライミ
原作:スタン・リー




☆ストーリー------------------------------------

ヒーローとしての活躍を認められ、NY市民から愛されるようになったスパイダーマン(トビー・マグワイア)。私生活では、MJ(キルスティン・ダンスト)との恋も好調で、ピーター・パーカーの人生は順風満帆だった。
 そんなある日、警察によって彼に衝撃の事実が告げられる。最愛の伯父ベンを殺した真犯人が他にいたというのだ。脱獄中に謎の科学実験に巻き込まれ、肉体が砂状のサンドマンと化してしまったその男=フリント・マルコ(ト−マス・ヘイデン・チャーチ)に対し、激しい怒りと復讐の念を抱き始めるピーター。そんな彼にある謎の黒い液状生命体が取り憑いてしまう。その生命体によって、スパイダーマンの衣装は黒く変化し、パワーもこれまで以上に強くなっていくのだが、同時にピーター自身の内面にもある変化が起こり始める。そんな彼の変化に戸惑い、彼への信頼感に疑問を持ち始めるMJ。順調だった二人の気持ちは少しづつすれ違っていく。
 サンドマン以外の新たな敵。そしてかつての親友で、今やスパイダーマンに対する復讐心からニュー・ゴブリンに化してしまったハリー(ジェームズ・フランコ)。様々な敵が出現する中、スパイダーマン=ピーターは何に挑み、何を決意するのか・・・。

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☆感想----------------------------------------

 言わずと知れた、ヒ−ロー「スパイダーマン」を、カルトホラーの巨匠サム・ライミが描いたシリーズ第三作品目。最新CGを駆使しながらも、どこかB級テイストが溢れるこの監督らしいテイストが、アメコミの世界観を十分に表現している。
 
 愛するMJにスパイダーマンであることがバレ、それを理解した彼女と結ばれたピーター。全てが順調に思われた中、彼の前に立ちふさがったのは、新たな敵たちと、自分自身という大きな壁。一貫して、「自分の中の悪」との葛藤が根底に描かれているこのシリーズにおいて、今作品ではスパイダーマン自身がその悪と向き合い闘うことになる。そのきっかけとなるのが、伯父を殺した真犯人であるサンドマンへ対する復讐心なのだが、やがてその復讐心が彼の内面に変化をもたらし、それによって他の人をも傷つけることにつながっていく。

 ここで描かれるのは、「憎悪」が「憎悪」を生むという状況。時代を問わず、ごく身近なところから世界情勢に至るまで、この連鎖によってもたらされる悲劇は数多い。大切なのは、それを許す真の強さを持つことではないだろうか?ラストでの登場人物それぞれの行動を観ていると、そんな事を考えさせられてしまう深みのある内容に仕上がっていた。
 
 もちろん、サム・ライミらしい直球な演出も多く、スピード感もあって、単純におもしろい。
 
 トビーとキルスティンは、すっかりおなじみな感じだけど、今回は前の2作品ではイマイチ影が薄かったジェームス・フランコが演じる、宿敵スパイダーマンと、親友ピーターとの間で苦悩するハリーの姿がとても印象深かった。
 
 シリーズものにしては、めずらしく回を増すごとにおもしろくなってきているこの作品。すでに制作が決まっている4作品目も気になるところだけど、ある意味で一段落した今作品を観ていると、ここでやめておけばいいのに、ちょっと思ってしまったりもして・・・。
 
 せっかく観るなら、劇場の大きなスクリーンでスパイダーマン気分を味わいながら楽しむことをオススメ!


♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_121276.jpgスパイダーマン3
Theme from Spider-Man /The Flaming Lips
 TVシリーズでもおなじみのあのテーマソングを大御所フレミング・リップスがアレンジ。サントラは、その他も豪華アーティストが多数参加。
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# by mi-ai-you-me | 2007-05-02 01:22 | サ行

ラブストーリーができるまで


ー彼は忘れ去られた80年代のポップスターだった。
    彼のメロディーに彼女の詩が出会うまでは。ー



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☆cast--------------------------------------
ヒュー・グラント
ドリュー・バリモア
ブラッド・ギャレット
キャンベル・スコット

☆crew------------------------------------
監督:脚本:マーク・ローレンス






☆ストーリー------------------------------------

アレックス(ヒュー・グラント)は、忘れ去れた80年代のポップスター。あれから20年経った今、時代に取り残されたように、往年のギャルたちを相手にしょぼくれたイベントをこなすだけ・・・。その仕事すら減りつつあった時、カリスマ歌姫コーラから新曲を提供してほしいとの依頼が舞い込む。10年振の曲作りに悪戦苦闘するアレックスだったが、そんな彼の前に、植木の世話係のソフィ(ドリュー・バリモア)という女性が現れる。ソフィが何気なく口ずさんだ言葉のセンスに惚れたアレックスは彼女に作詞を頼むのだが・・・。
舞い込んだチャンスと、出会った一人の女性。
彼は、再び脚光を浴びることができるのか、そしてラブソングは出来上がるのか・・・。

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☆感想----------------------------------------

 監督のマーク・ローレンスとヒュー・グラントが「トゥーウィーク・ノーティス」に続いて2度目のタッグを組んだのは、なんともsweetなラブストーリー。ヒューの持ち味である軽さと悲哀さという両極端な部分が、周りから「あの人は今?」的な痛々しい扱われ方をされながらも、当の本人はそんな毎日をそれなりに楽しんでしまっているというアレックスというキャラクターに十分に活かされている。
 
 人生の中で、最高の瞬間を味わっても、それを維持し続けるのは難しいこと。努力が足りないだけなのか・・・はたまた運が尽きてしまったのか・・・。この映画のアレックスも元はポップスター。今では彼を知る人すら少なく、華々しい過去の栄冠を背負いながら「なんとなく満足」な日々を過ごしていた彼だったが、新しいチャンスを手にし、ソフィーに出会ったことで、「今」の自分自身を生きることに目覚めていく。それと同時に、つらい過去に縛られ、、ペンを握ることから遠ざかったいたソフィーもまた、彼の励ましによって、一歩踏み出し前進していく勇気を手にするのだった。
 
 ハッピーはエンドではなくエンドレス。物語同様、人生はずっと続いていくワケで、山もあれば谷もある。谷続きの時も・・・。そんな時、過去に捕われ生きるのか?自分自身を取り戻すべく前に進んで行くのか?
 
 冒頭のヒューが演じるPOPのPVからやられてしまうこの映画。80年代をちょっとでも経験したことのある人なら、懐かしい名前がちらほら出てきたりして、ちょっと昔を思い出す事ができるのでは?ドリューのファッションや、流れる曲もとても可愛く、このあたり、ラブコメ好きな女子にはたまらないハズ。
 
 これといって、劇的ではなく、ライトなラブストーリーではあるけど、ちょっと自分に躓いてしまった時、新しい一歩を踏み出す気持ちにさせてくれるそんなステキなお話。


♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_2247971.jpgラブソングができるまで
Way Back Into Love /Hugh Grant & Haley Bennett 
 アレックとソフィーが作り上げた渾身の一作。サントラには、デモ版としてヒューとドリューが歌うバージョンも収録されている。
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# by mi-ai-you-me | 2007-04-26 22:50 | ラ行

プリティ・ヘレン

      
ー1番大切なもの、見つけた。ー


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☆cast--------------------------------------
ケイト・ハドソン
ジョン・コーベット
ジョーン・キューザック
ヘクター・エリゾンド

☆crew------------------------------------
監督:ゲイリー・マーシャル
脚本:パトリック・J・クリフトン
   ベス・リガッツイオ




☆ストーリー------------------------------------

 ヘレンは、NYのモデル事務所で働く敏腕エージェント。仕事も恋も思いのままに、自由なシングルライフを満喫中。そんなある日、3人姉妹の一番上の姉夫婦が交通事故で他界。姉の遺言によって、3人の子供たちの面倒をヘレンが任されることに。華やかな世界から一点、子供達の子育て中心の生活で、気ままな生活と仕事を失うヘレン。そんな彼女を見守ってくれたのは、子供達の先生でもあるダンだった。これまでとは違う生活を送る中で、ヘレンが気付いたこととは?そして彼女が選んだ人生とは?

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☆感想----------------------------------------

 「プリティ・ウーマン」のメガヒット以来、ゲイリー・マーシャルの映画には、どーしても「プリティ〜」という冠が外せないみたいで、今回も邦題はコレ。
 
 男女問わず、仕事が上手くいっていて、お金がそこそこあって、隣にやさしい恋人がいたら、今の自由な生活がずっと続けばいいのにぃ!と、ほとんどの人が思うだろう。仕事はちゃんとやっているワケだし、プライベートぐらい好きにお金を使って、責任も束縛もない楽しい時間を過ごしたい。主人公のヘレンもそんなシングルライフを満喫するキャリアウーマン。昼は、華やかな職場で働き、夜はパーティーガールのごとくクラブで遊びまくる毎日。そんな彼女が、事故で亡くなった長姉夫婦の遺言で、突然3人の子供の母親になってしまったのだから、さあ大変! 全てが子供中心の生活となり、キャリアもプライベートも失う始末。それでも、へこたれずに、初めて自分の為ではなく誰かの為に目の前の壁を突破していこうとするヘレンの姿には、本当の意味での大人への成長を見せられたような気がする。
 
 彼女をやさしく見守る存在として登場するのが、子供達の先生でもあるダンと、すぐ上の姉ジェニー。ジェニーは、既に結婚して子供もいる自他共に認めるスーパーママ。ヘレンよりずっと適正があるのに、子供達を任されず、最初は複雑な思いを抱くのだけど、やがて彼女の成長を認めるようになっていく。
 
 責任を負い逃げ場のない状況にあっても、そこから自らの人生を掴み取っていくヘレンの姿を観ていると、なんだかこっちまで勇気と元気をもらったような気分になってしまう。演じるのは、私も個人的に大好きなケイト・ハドソン。今やロマコメの女王といってもいいくらい、このテの作品にはかかせない存在で、今回も彼女らしいドタバタ感と顔一杯の笑顔がなんともキュート☆
 
 原題の「Raising Helen」の文字通り、子育てしながら、成長していく女の子を描いた、爽やかで心あったまる作品。 


♪ pick up song  ♪-------------------------------------------------------------------------

e0110110_0402021.jpgTestimony
Thinking Over / Dana Glover
 ヘレンがこれからの人生について葛藤するシーンで流れ、サントラにも入っているこの曲は、ダナ・グローヴァーのデビューアルバムからの1曲。
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# by mi-ai-you-me | 2007-02-21 23:24 | ハ行

リトル・ミス・サンシャイン

    
ー夢と希望を乗せて、黄色いバスは行くー


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 ☆cast--------------------------------------
 グレッグ・キニア
 トニ・コレット
 アラン・アーキン
 アビゲイル・ブリスリン

 ☆crew--------------------------------------
 監督:ジョナサン・デイトン
 脚本:マイケル・アーント





☆ストーリー---------------------------------

 小太りでメガネっ子のオリーブ(アビゲイル・ブレスリン)の夢は、美少女コンテストで優勝すること。地方予選で運良く繰り上げ優勝した彼女は、独自の成功論を研究する父リチャード(グレッグ・ギニア)や母のシェリル(トニ・コレット)、自殺を図ったゲイの伯父フランク、破天荒な祖父(アラン・アーキン)、兄らと一緒に車で決勝大会のある会場へと目指すのだが・・・。

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☆感想--------------------------------------

 家族だって、それぞれ個性があって当たり前だし、相性の良し悪しがあるのも確か。この映画の一家も、はじめはみんなバラバラ。そんな彼らが娘のミスコンの為に、オンボロバスで旅にでるのだが、互いに衝突しがならも、いつしか一致団結していく姿を観ていると、やっぱり最後に味方になってくれるのは、家族以外の何者でもないんだナ〜と、なんだかジーンときてしまう。
 
 それと同時に、この映画は、「成功した人」だけが人生の勝者ではないということを教えてくれる。正直、ミスコンに出場できたこと自体が不思議なくらい、お世辞にも美少女とは言えないオリーブ。そんな彼女がミスコン前日に、自分は「負け組」なのではないかと怖じ気づき、祖父にその胸のうちを明かすのだが、祖父は、そんな彼女に「負ける事を恐れて、戦わない人こそが、負け組なのだ。」と優しく語りかける。人生の勝者と敗者を決めるのは、成功か失敗かではなく、どんな結果になろうとも、ちゃんと自分が納得出来たか否かにあるってことなのだろう。まぁ、大人になると痛みが分かるだけに、負けると分かってる勝負は、なかなかできなくなるのも確かなのだけど・・・。
 
 ほのぼのながらも、コミカルなシーンがてんこもりで、最後まで笑いっぱなし。そして、迎えるラストシーンでは、ハッピーな気持ちになれること間違いなし!どこかおかしくて、とても愛おしい。そんな家族の物語。


♪ pick up song ♪-------------------------------------------------------------------------

e0110110_2347762.jpgThe Definitive Collection
Super Freak / Rick James
 とにかく、この映画はこの曲なくしては語れない!この曲をBGMに、かわいいオリーブの笑撃ダンスをぜひともお楽しみあれ!
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# by mi-ai-you-me | 2007-02-08 20:41 | ラ行

エターナル・サンシャイン

      
ー恋の痛みを知るすべての人へー


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 ☆cast--------------------------------------
 ジム・キャリー
 ケイト・ウィンスレット
 キルスティン・ダンスト
 イライジャ・ウッド
 マーク・ラファロ

 ☆crew------------------------------------
 監督:ミシェル・ゴンドリー
 脚本:チャーリー・カフマン




☆ストーリー------------------------------------

 バレンタイン目前のある日、ジョエル(ジム・キャリー)は不思議な手紙を受け取る。そこに書かれていたのは、喧嘩別れをしてしまった恋人クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)が自分との記憶を消去する手術を受けたという内容だった。ショックを受けたジョエルは、自らも彼女との思い出を忘れるために、記憶除去を専門とするラクーナ社を訪れる。そこで行っている手術は、寝ている間に、脳の中の特定の記憶だけを消し去ることができるという便利なもの。現在から過去へ記憶が甦っては消えてゆくうちに、彼は手術を中止したいと思い始める。
そこには、忘れられない彼女とのステキな日々があったのだ・・・。

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☆感想----------------------------------------

 誰かを好きになり、それを失った経験があれば、その記憶を消してしまいたいと思ったことのある人もたくさんいるはず・・・。胸のズキズキや、孤独な気持ちを乗り越えるために、ひとりbitterな時間を過ごすくらいなら、一瞬にして忘れてしまえれば、どんなに楽なことか・・・。それでも、記憶を辿れば、そこには楽しかったり、happyな時間がちゃんと存在しているワケで、そんなキラキラした気持ちを経験したからこそ、人はまた恋をするのじゃないかな〜なんて思ってしまうのも確かだったりする。
 
 いつか別れがくるとしても、人と出会うことは、かけがえのない出来事で、その記憶をなかったことになんてできない。映画のラストで、ジョエルとクレメンタインに起こる素敵な奇跡には、そんなメッセージが込められているのではないだろうか。
 
 正直、チャーリー・カウフマンの映画は得意じゃないので、どんなもんだろ?と思っていたのだけど、コレは恋愛がテーマという事もあって、結構すんなりと話の中に入り込むことができた。それでも、考え方によっては、相当難しい内容だったりするのかもしれないけど・・・・。
 
 シリアスなジム・キャリーと、破天荒なケイト・ウィンスレットというキャスティングも、意外性があって、わりとリアルな感じに仕上がっていたし、何よりミシェル・ゴンドリーの映像が最高! 最新技術は極力使わず、目の錯覚を利用した彼独特の世界観には、逆に新しささえ感じてしまう。
 
 恋を忘れたい時、恋をしたい時、何度も繰り返し観たくなるような、そんな作品。


♪ pick up song  ♪-------------------------------------------------------------------------

e0110110_020012.jpgDefinitive Collection
Mr Blue Sky / Electric Light Orchestra
 全編を通して、せつなくポップな音楽たちがちりばめられているこの映画。サントラに収録されるなかで、予告編でも使用されているこの曲は、70年代に全米で活躍したELOの名曲。
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# by mi-ai-you-me | 2007-01-26 21:02 | ア行

カレの嘘と彼女のヒミツ

 
ー愛する人に疑いを持ったら、どうしますか?ー


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 ☆cast--------------------------------------
 ブリタニー・マーフィ
 ホリー・ハンター
 キャシー・ベイツ
 ロン・リヴィングストン

 ☆crew--------------------------------------
 監督:ニック・ハラン
 原作:メリッサ・カーター





☆ストーリー--------------------------------

 憧れの女性キャスターとの仕事を夢見るステーシー(ブリタニー・マーフィ)は、現在“運命”のカレと同棲中。トークショーのアシスタントプロデューサーに転職し、恋も仕事も絶好調。しかしある日、カレから昔の恋人の話を聞かされた彼女は、同僚のバーブ(ホリー・ハンター)に煽られてカレの電子手帳を覗き見してしまう。ちょっとした興味から、次々と発覚する新たな事実。それは本格的な浮気調査になって・・・。

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☆感想--------------------------------------

 彼氏の元カノ。知らなきゃどーでも良い事だけど、気になりだしたら止まらない。たいがいの女の子なら、そんな感じなのでは? しかも、彼がその彼女と今でも友達として続いていると知ってしまったら・・・。そこから先は、妄想と疑心暗鬼のオンパレード。自分でも分かっちゃいるのに、どんどんウザイ女へとまっしぐら。正直、ステーシーの行動には、そこまでするか?とは思いつつも、恋する女心を知るモノとしては、その気持ちが分からないワケでもなく・・・。
 
 主演のブリタニー・マーフィーは相変わらずコロコロ変わる表情が、なんともキュートで、今やラブコメには欠かせない存在。一見、ちょっとおバカそーな感じではあるのだけど、そこがまたカワイイ。
 
 作品自体は一見ラブストーリーの要素が強いけど、終わってみれば、意外や奥が深い。それまで、自分の計画通りに人生を生きてきた彼女は、初めての挫折を経験することで、たとえプラン通りに進まなくても、焦らない気持ちが自らを幸運へと導いてくれるのだということを学んでいく。言わば人生におけるサクセスストーリーみたいなものかな?一つの失敗から「成り行きを楽しむ」事を知った彼女には、ステキなハッピーエンドもちゃんと用意されていて、観ているこっちまで勇気をもらったよーな気持ちに☆
 
 少女マンガのようで、どこかほろ苦いラブストーリー。全ての迷える女子にぜひともオススメしたい作品。


♪ pick up song ♪-------------------------------------------------------------------------

e0110110_2331963.jpgReflections: Carly Simon's Greatest Hits
Let The River Run / Carly Simon
 ステーシーのお気に入りでもあるカーリー・サイモンのが歌うこの曲は、80年代「ワーキング・ガール」の主題歌として全米ヒットした名曲。
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# by mi-ai-you-me | 2007-01-08 19:21 | カ行