フリーダム・ライターズ


ー昨日までの涙が、インクになる。ー


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☆cast--------------------------------------
ヒラリー・スワンク
パトリック・デンプシー
スコット・グレン
イメルダ・スタウントン
マリオ

☆crew------------------------------------
監督:リチャード・ラグラヴェネーズ
原作:フリーダム・ライターズ




☆ストーリー------------------------------------

  物語は1994年、ロス暴動直後のロサンゼルス郊外。人種が激しく対立し、ドラッグとナイフと銃がはびこるウィルソン公立高校で始まる。荒れ果てた教室では授業もままならず、ほとんどの教師たちは生徒を見捨てていた。しかし、新任国語教師エリン・グルーウェル(ヒラリー・スワンク)だけは彼らを信じ、お互いを憎みあう生徒たち全員に自費でノートを買い与え、自分たちの本当の気持ちを書くようさとす。最初は抵抗する生徒たちだが、想いをつづることで自分と向き合い始め、次第に荒れた教室に変化が生まれていく・・・。

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☆感想----------------------------------------

 2度のアカデミー主演女優賞に輝いたヒラリー・スワンクの最新作は、実在の英語教師とその生徒達による同名の原作を基にした感動の物語。
 
 人生を変えてしまうほどの出会い。それは誰にでもあるようで、実はとても幸運なこと。

 この物語に出てくる生徒達は、人種も家庭環境も様々。ほとんどの生徒が、犯罪と背中合わせに近い過酷な状況にあり、明日への希望すら見い出せないでいる中、彼らに全力でぶつかり、自信を与えることで、自分を信じ、あきらめずに挑戦し続けることを教えるエリン。「犯罪者として弁護する前に子供たちを救いたい」という気持ちから、弁護士から念願の教師になった彼女は、教材を買ったり、社会科見学に連れて行く為に、バイトを2つも掛け持ちしながら、生徒達に愛情を捧げ続ける。そんな彼女の行為に賛同して、地元の教育委員会や企業が動き、教育の場自体も大きく変化をしていくのだが、もちろん全ての人が理解をしめしたわけではない。彼女のやり方に反発する同僚の教師との軋轢、夫との離婚など、多くの犠牲を払いながらも、彼女は教師という仕事に情熱を注いでいくのであった。
 
 ひねくれた物の見方をする人なら、単なる自己満足なのでは?と思うかもしれない。しかし、例えそうであっても、これだけ多くの生徒達に生きる希望を与えたのであれば、彼女の行った授業はやはり大きな意味があったことに間違いない。

 学ぶことで自信を持ち、人に心を開くことで、その相手を理解することを知った生徒たち。彼らなら、エリンや仲間たちに守られた「教室」というシェルターから卒業して、また過酷な現実に戻ることになっても、きっと未来の自分のためにチャレンジすることをやめることはないだろう。
 
 性同一障害者、女性ボクサーといった難しい役を演じることの多いヒラリー・スワンクが、今回は、芯は強いながらも、女性として妻として仕事と家庭の間で揺れ動く部分も持ち合わせた等身大の女性を好演。スタッフのほとんどが「エリン・ブロコビッチ」の制作に携わってたというから、なんとなく納得。
 
 変化をするための勇気を持つ。その大切さを教えてくれる爽やかで、グッとくる感動作。涙腺の弱い方、ハンカチ持参でどうぞ。 


♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_23291956.jpgFreedom Writers
hip-hop horray /Naughty by Nature
 hey!ho!でおなじみのこの曲は、劇中で使用。他にも、2-pacやMontell Jordanなど懐かしめhip-hopが盛りだくさん。曲の使い方といい、話の内容といい、ミシェル・ファイファーの「デンジャラス・マインド」に酷似してる気がしないでもないのだけど・・・。

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# by mi-ai-you-me | 2007-07-22 23:29 | ハ行

サイドカーに犬


ーあの夏、ヨーコさんが教えてくれたこと。
   コーラと清志郎と 思い切り笑うこと。ー



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☆cast--------------------------------------
竹内 結子
古田 新太
松本 花奈
谷山 毅
ミムラ
鈴木 砂羽
 
☆crew------------------------------------
監督:根岸 吉太郎
原作:長嶋 有



☆ストーリー------------------------------------

 不動産会社に勤務する薫(ミムラ)。彼女は久々に弟に会い、披露宴の招待状をもらう。両親が離婚したことで離れて暮らしていた姉弟。彼女が思い出すのは、その離婚の直前、20年前の夏の日の出来事だった。その時、薫(松本 花奈)は小学校4年生。夏休みが始まる前日に母親(鈴木 砂羽)は突然家を出て行き、父親(古田 新太)と弟との暮らしの中にある女性がやって来る。
その女性の名前はヨーコさん(竹内 結子)。彼女は父親に頼まれ、薫たちの食事の面倒などをみるためにやって来たのだった。タバコはスパスパ吸うし、つっけんどんとしてて、強いヨーコさんは麦チョコを山ほど買ってくれたことで、薫と弟に強烈な印象を与える。そんなヨーコさんに薫は興味を抱き、自然と引き寄せられていく。


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☆感想----------------------------------------
 
 直木賞作家・長嶋有のデビュー作を、「雪に願うこと」で各映画賞を総ナメにした根岸吉太郎が映画化。
 
 20年前、小学4年生だった薫の夏休みは、母の家出という衝撃的な出来事で幕を開けた。その代わりに家にやって来たのは、ヨーコさんという豪快で自由奔放な女性。彼女の出現によって、ちょっぴり刺激的で、忘れることのできない夏の日が始まろうとしていた・・・。
 
 コーラは歯が溶けるから飲んじゃダメ。おやつの麦チョコは少しだけ。そんな言いつけをきちんと守る薫にとって、大人(特に母親)とはいつでも正しい方向へと導いてくれる存在だったに違いない。だからこそ、ヨーコという豪快で型破りな女性が現れた時、それまで出会ったことのないタイプの大人の彼女に興味を持ち、戸惑いながらも自然と惹き付けられていったのだろう。そんな薫に対して、いつでも対等な立場で接し、彼女の思慮深さに「尊敬する。」とまで言ってしまうヨーコ。サバサバしていて芯が強いのに、決して自分の考えは押し付けない。彼女の凛とした生き方に、自分もこうありたいと思う女性もきっと多いのでは?
 
 竹内結子がこれまで演じたキャラクターとはちょっと違った激しくも弱い魅力的な女性を好演。子供時代の薫を演じた松本花奈ちゃんが時より見せる戸惑いやはにかんだ表情は、子供の頃、初めて大人の世界を垣間見たあの時のなんともいえない感覚を思い出させてくれる。
 
 「嫌いなものは好きになれるのに、好きなものを嫌いになるのは難しい。」

 どんなに自由で、どんなに強いヨーコでも、人の気持ちまで自由にはできない。それでも、その場所が自分を必要としていないのならば、前へ前へと自転車を走らせていく彼女の姿に、大人になった薫同様、観ている自分もちょっぴり勇気づけられてしまう。せつなくも爽やかで、今の季節にぴったりな作品。


♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_0153346.jpgMy Generation/Understand
Understand /YUI
 映画の内容や、景色ともぴったりで、エンドロールに流れるこの曲は、この映画の為に書き下ろされたYUIのアコースティックナンバー。


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# by mi-ai-you-me | 2007-07-02 00:21 | サ行

アヒルと鴨のコインロッカー


ー神様、この話だけは見ないでほしい。ー


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☆cast--------------------------------------
浜田 岳
瑛太
関 めぐみ
松田 龍平
大塚 寧々


☆crew------------------------------------
監督:中村 義弘
原作:伊坂 幸太郎



☆ストーリー------------------------------------

 僕の名は椎名(浜田 岳)、19歳。大学の入学で一人暮らしをするために、アパートに引っ越してきたその日に、奇妙な隣人の河崎(瑛太)に出会った。彼は初対面だというのにいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ち掛けてきた。彼の標的はたった一冊の広辞苑。そして彼は二年前に起こった、彼の元カノ(関 めぐみ)とブータン人留学生と美人ペットショップ店長(大塚 寧々)にまつわる出来事を語りだす。過去の物語と現在の物語が交錯する中、すべてが明らかになった時、僕はおかしくて切ない真実を見た…。

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☆感想----------------------------------------

ミステリー作家でありながらその枠に留まることなく、独自な世界観と表現力で、多くのファンからの支持を得ている伊坂幸太郎。その彼の作品の中でも、映像化するのは難しいであろうと言われていた今作品を、伊丹十三や雀洋一の元で助監督としての経験を積み、構成力と演出力において評価の高い中村義弘が映画化。
 
 「一緒に、本屋を襲わないか?」
 
 主人公の椎名は、進学の為に仙台に越して来たその日に、隣に住む河崎と名乗る男から、突拍子もない提案を持ち掛けられる。そして河崎から語られる、彼と、彼の元カノとブータン人の3人の物語。やがて一本の線で繋がる事となる2年前に起きたある事件と、今回の本屋の襲撃事件。果たしてそこに隠された真実とは?
 
 原作と同様に、カットバック方式で物語が進行していく今作品。ストーリー自体も原作にほぼ忠実に描かれているので、本を読んでこの話を好きになったという人の期待も裏切ることはないだろう。
 
 黄味がかった夕焼け時の空と、本屋の赤い看板のコントラスト。光を多様した室内でのやりとりなど、全編に渡って映し出されるのはアメリカのロードムービーのような乾いた景色の数々。この作品を描くにふさわしいノスタルジックな映像と、浜田 岳、瑛太 、松田 龍平、関めぐみら俳優陣による時に淡々と、時に感情的な一面を見せるごく普通の若者たちを見事に表現した演技のおかげで、どこかおかしく、とても切ない秀逸な青春ドラマに仕上がっている。ちょっとした偶然から、彼ら3人の物語に途中参加してしまった椎名同様、観ているこちら側も、やがて知ることになる悲しくもやさしい真実に胸を締めつけられるだろう。
 
 原作を読んでから観るのもよし、これを観て原作を読んでみるもこれまたよしの作品。
 

♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_0181027.jpgエッセンシャル・ボブ・ディラン
風に吹かれて /ボブ・ディラン
 劇中、神様と呼ばれている彼が歌うのは、誰もが一度は聴いたことのあるスタンダードなナンバー。物語の核とも言える曲で、全編を通して効果的に使用されている。

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# by mi-ai-you-me | 2007-06-26 00:22 | ア行

舞妓Haaaan!!!


ー京都は日本の宝どす。ー


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☆cast--------------------------------------
阿部 サダヲ
堤 真一
柴咲 コウ
小出 早織
京野 ことみ
伊東 四郎
生瀬 勝久

☆crew------------------------------------
監督:水田 伸生
脚本:宮藤 官九郎


☆ストーリー------------------------------------

 鬼塚公彦(阿部 サダヲ)は、東京の食品会社で働く平凡なサラリーマン。ただひとつ異なるのは、熱狂的な舞妓ファンということ。そんな公彦の元に、念願の京都支社への転勤というチャンスが訪れる。同僚で彼女でもある大沢富士子(柴咲 コウ)をあっさりと捨て、意気揚々と京都入り。「一見さんお断り」という最高峰の壁を強引に乗り越え、やっとの思い出お茶屋デビュー!!
 しかし、そんな彼の前に、お金を侍らせお茶屋遊びをするプロ野球のスター選手・内藤(堤 真一)という男が現れる。彼をライバル視する公彦は、見返す為にあの手この手と奮闘する。同じ頃、富士子は公彦を忘れることができず、舞妓になるべくお茶屋修行に励んでいた・・・。

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☆感想----------------------------------------

脚本が宮藤官九郎、主演が阿部サダヲとくれば、おもしろくないわけがないっ! 絶妙なセリフ回しと、軽快なテンポによって、繰り広げられる今作品は、なんとも奇想天外な舞妓ムービー。
 
 三度の飯より舞妓好きなのに、実はお座敷遊び未経験の男・鬼塚。そんな彼が、転勤先の京都で社長から言われたのは、「仕事で結果を出せば、お座敷遊びをさせてやる。」という言葉。念願のお座敷遊びの為ならと躍起になる鬼塚だったが・・・。
 
 仕事もプライベートも全てが舞妓さんの為という純粋なのか、不純なのかよく分からない鬼塚の言動は、もはや理解不能。それでも、その情熱で周りの人を巻き込み、不可能を可能にしていく彼の姿には、ある意味脱帽といった感じがしないでもない。たとえ勘違いヤローでも、やっぱり信じる者は救われるということなのか?この映画を観ていたら、アメリカの「キューティー・ブロンド」という作品を思い出してしまったけど、リース・ウィザースプーンより、確実に阿部サダヲの方がテンション高め。本当の彼自身は、かなりテンション低めな人と聞くから、やはり演技力があるということなのだろう。同じように、脇を固める役者陣も本当のコメディーを演じることのできる演技派ばかりが勢揃い。とにかく全編に渡ってハチャメチャな展開で、正直言えば内容なんてあってないのも一緒。それでもOK!と思ってしまえるのは、さすが宮藤官九郎の為せる業。
 
 テンション上げていきたい時は、ぜひともこの映画をオススメ。座席に座っただけで、気が付けば大爆笑している自分に気づくハズ。


♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_0141271.jpgお・ま・え ローテンションガール
お・ま・え ローテンションガール /グループ魂に柴咲コウが
 グループ魂と柴咲コウがコラボしたエンディングテーマ。途中のラップのところが、ビィスティーみたいで、超ハイテンション!


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# by mi-ai-you-me | 2007-06-21 00:17 | マ行

しゃべれども しゃべれども


ーみんな、何とかしたいって思ってる
    今のままじゃ、だめだからー



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☆cast--------------------------------------
国分 太一
香里奈
森永 悠希
松重 豊
八千草 薫
伊東 四郎

☆crew------------------------------------
監督:平山 秀幸
原作:佐藤 多佳子



☆ストーリー------------------------------------

 古典を愛する二つ目の落語家・今昔亭三つ葉(国分 太一)。思うように腕も上がらず、悩んでいる彼のもとに「落語を、話し方を習いたい」とひょんな事から3人の変り者たちが集まって来る。
 すこぶる無愛想で口下手な美人・十河 五月(香里奈)、勝ち気なためにクラスになじめない関西弁少年・村林 優(森永 悠希)、そして、口下手が災いして野球解説の仕事も失いそうなイカつい形相の元プロ野球選手・湯河原 太一(重松 豊)。
 なかなか落後を覚えない。そんな彼らをまとめなくてはならない三つ葉にも恋と仕事の迷いがあって・・・。

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☆感想----------------------------------------

  佐藤 多佳子のベストセラーを、「愛を乞う人」で日本アカデミー賞はじめ、数々の映画祭を総なめした平山 秀幸が映画化。東京の下町を舞台に、しゃべりのプロだが、一向に腕の上がらない落語家と、しゃべる事が苦手な生徒達の心の交流を描いたヒューマンドラマ。 
 
 美人だが無愛想な十河、前向きだけどその性格と関西弁のせいでクラスで浮いてしまっている少年・村林、いかつい形相と口べたが災いして解説者としての評価が最悪の元野球選手・湯河原。この3人の生徒達を通して、一番簡単はずの「言葉」をツールにしたコミュニケ−ションが上手く図れない人々の心の葛藤や、もどかしさがうまく描かれていた。それは、しゃべることを仕事としている三つ葉にとっても同じことで、生徒達に落語を教えることで、彼自身もまた相手に伝わる言葉とはどんなものなのかを学んで行く。
 
 自らのコンプレックスを受け入れ、勇気を出して一歩踏み出そうとする人々。粋なセリフと情緒溢れる風景と共に、彼らが懸命に変ろうとする姿が写し出され、最後には何とも言えない爽快感を味わう事ができる。
 
 これがデビュー作となった、関西少年・村林役の森永 悠希くんがとにかく可愛く、他の役者が食われっぱなしだった。三つ葉の師匠を演じた伊東 四郎や、祖母役の八千草 薫が、いかにも下町気質な粋できっぷのいい人々を好演。
 
 どこにでもいる普通の人々を通し、気持ちを伝えることの大切さを教えてくれる作品。
 

♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_205837.jpg「しゃべれども しゃべれども」オリジナルサウンドトラック
明日天気になぁれ / ゆず
 ラストで流れるのは、映画の雰囲気にもぴったりなゆずによる一曲。



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# by mi-ai-you-me | 2007-06-09 04:28 | サ行

主人公は僕だった


ー男は悩んでいた。自分だけに聴こえる、作家の声に。ー


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☆cast--------------------------------------
ウィル・フェレル
エマ・トンプソン
ダスティン・ホフマン
クイーン・ラティファ
マギー・ギレンホール

☆crew------------------------------------
監督:マーク・フォースター
脚本:ザック・ヘルム




☆ストーリー------------------------------------
 
 国税局に勤めるハロルド・クリック(ウィル・フェレル)は、毎朝同じ時間に目覚め、同じ回数歯を磨き、同じ歩数でバス停まで行き、会計監査官の仕事をこなして、毎晩同じ時間に眠る。そんな几帳面すぎる毎日を送っていたハロルドに、ある朝突然、彼の行動を性格に描写する女性のナレーションが聞こえてくる。声の主は、悲劇作家のカレン・アイフル(エマ・トンプソン)。10年の沈黙を破る最高傑作の完成を目の前にした彼女が、ラストでいかにして死なせようかを悩んでいる主人公こそ、ハロルドだったのだ。なんとか自分の物語を変えようと生活を変え始めるハロルド。パン屋で働く魅力的な女性アナ(マギー・ギレンホール)に恋をしたり、子供の頃に夢だったギターを弾きはじめたりするうちに、愛すべき姿に変わり始めた彼の人生を、ハロルドは守ることができるのだろうか?

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☆感想----------------------------------------

 「チョコレート」や「ネバーランド」のマーク・フォスターがメガホンを取り、ここ最近出演作が立て続けにヒットを飛ばしているコメディ俳優ウィル・フェレルが主演するこれまでにないひねりの利いたヒューマン・コメディー。
 
 平凡に思えた自分の人生が、ある日突然終わってしまうと宣言されたハロルド。しかも、その筋書きを書いているのは、なんと実在する悲劇作家だった!ユニークなストーリー展開もさることながら、出演している俳優たちの淡々としながらも、どこかおかしい演技が何とも言えず、気が付くとクスっと笑ってしまう。
 
 生きている以上、人には逃れられない運命がある。たとえば、生まれた場所、人種、時代。でも、そこから先は、ほんの少しの勇気と、変えようと思う意思さえあれば、いくらでも道は開けていくもの。死を宣言され、それから逃れる為に奮闘し、人生を謳歌し始めるハロルドがやがて迎えることになる結末を知れば、自分の人生の筋書きを決めるのは、神様でも小説家でもなく、自分以外の何者でもないということに気づくことができるだろう。それと同時に、この物語は人は生きてること自体がすでにドラマだということを教えてくれる。劇的な何かが起こらなくても、日々起こる小さな出来事全てにはちゃんと意味があり、それを感じ取ることができれば、毎日は十分にドラマチックなのだ。それに気づいた時こそ、人生において自分こそが紛れもない主人公だと思えるようになるのではないだろうか。
 
 個人的に苦手だったウィル・フェレルが、今回はあまりアクの強くない抑えた演技で愛すべき平凡男ハロルドを好演。相手役のマギー・ギレンホールは、「こうあるべき」ではなく「こうありたい」と思う生き方をしている女性を演じていて、とてもカッコイイ!シリアスだけど、どこか笑えて、最後にホロっとさせられるとてもステキな作品。

 毎日がなんとなく同じ事の繰り返しに感じてしまっているような時は、ぜひこの作品で気持ちをリフレッシュしてみて!


♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_0131361.jpgStranger Than Fiction
The Book I Write / Spoon
 SpoonのBritt Danielがこの映画のために書き下ろした最新曲。全体的にも心地良いポップサウンドがてんこもりで、ソフィア・コッポラ作品などのサントラが好きなら、ぜひオススメ!

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# by mi-ai-you-me | 2007-06-07 00:19 | サ行

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ


ーやっぱお姉ちゃんは、最高に面白いよ。ー


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☆cast--------------------------------------
佐藤 江梨子
佐津川 愛美
永作 博美
永瀬 正敏

☆crew------------------------------------
監督:吉田 大八
原作:本谷 有希子





☆ストーリー------------------------------------

 両親の訃報を受け、東京から田舎に戻って来た姉・澄伽(佐藤 江梨子)。女優を目指して上京したが、実は自意識過剰な勘違い女。そんな姉を題材にホラー漫画を描いて家族を町中の笑いモノにしたが為に、鬱屈とした日々を送る妹・清深(佐津川 愛美)。その義理の兄(永瀬 正敏)と兄嫁(永作 博美)も巻き込んだ、姉の帰省から始まる可笑しくて壮絶な姉妹バトルが今、幕を開ける!!

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☆感想----------------------------------------
 
 「劇団・本谷有希子」を率い、女優、作家、演出家とマルチな活動を繰り広げている本谷有希子。その代表作でもあり、戯曲や小説化もされている今作品をCM界でキャリアの長い吉田大八がメガホンをとり映画化。
 
 自信過剰で傲慢な姉・澄伽と、彼女に怯えながらも実はしたたかな妹・清深。その二人の板挟みになりながらも、ある事情から澄伽に強い態度を取れない義兄とウザイ程に超お人好しな兄嫁。そんな腑抜け揃いの家族が織りなす壮絶なまでのバトルが、ブラックユーモアたっぷりに描かれている。
 
 女優になれない事を、妹や、環境のせいにして、自分は特別な人間だと信じて止まない澄伽。正直、友達にはしたくないけど、嫌なヤツとも思えない。誰もが自分の中に持つエゴを丸出しにして生きる彼女には、見ていて気持ちの良ささえ感じると共に、彼女に虐げられ弱者のように見えてた妹の清深がラストで見せる本性にゾクっとさせられる。携帯の電波も届かないような片田舎が舞台の為、まるで金田一シリーズのようなある種独特の空気感が漂っているが、実は描かれているのは、どこにでもある家族の日常。もちろんここまで複雑ではないにしても、どこの家もいろんな事情を抱えているのがあたりまえなワケで、そんな人間たちの中で、一見一番まともで悩みがなさそうに見える兄嫁が逆に異質に見えるのがおもしろい。
 
 本谷有希子の文章から感じられる少しウェットで、リアリティのある世界観を期待すると、あまりに単純明快であっけらかんと仕上げてあるので、少し気が抜けてしまうのだけど、嫌悪感を抱かない程度のブラックなユーモアが満載で、最後まで小笑いしながら楽しめる作品になっている。6割くらいは彼女のおかげと言っても過言じゃないくらいおもしろすぎる永作博美の演技にも注目!
 

♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_295080.jpgとび魚のバタフライ
世界が終わる夜に /チャットモンチー
 脱力感のある外見とは裏腹にかなりパンチの効いた音を聞かせてくれるガールズバンド。映画のラストを飾るこの曲は、試写の際にナマで聴くことができたのだけど、かなりオススメ!

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# by mi-ai-you-me | 2007-06-01 00:38 | ハ行

そのときは彼によろしく


ー残されたわずかな時間。その一言を彼に伝えたかった。ー


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☆cast--------------------------------------
長澤 まさみ
山田 孝之
塚本 高史
国仲 涼子
北川 景子

☆crew------------------------------------
監督:平川 雄一朗
原作:市川 拓司




☆ストーリー------------------------------------

 幼なじみと誓い合った夢だったアクアプランツの店「トラッシュ」を開店した遠山智史(山田孝之)。そんなある日、店に突然トップモデルの森川鈴音(長澤まさみ)がやってくる。とまどう智史だったが、鈴音との奇妙な共同生活を始めることになる。なぜか鈴音には、懐かしさのようなものを感じていた。
 それもそのはず、実は鈴音は離ればなれになっていた幼なじみの滝川花梨その人だったのだ。遅ればせながらの再会を喜びあう智史と花梨。ところが、二人にはもう一人幼い日の親友がいた。画家になると約束をしていた五十嵐佑司(塚本高史)。
 動き出した運命は13年前の三角のプリズムを再び回し始める。音信不通だった佑司の居場所が判明し、会いにいく二人だったが、再会した佑司は、事故に遭い昏睡状態だった。
 そして、時を同じくして明らかになっていく花梨の秘密。彼女に残された時間はあとわずかだった・・・。

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☆感想----------------------------------------

 「いま、会いにゆきます」が大ベストセラーとなった市川 拓司原作によるファンタジックラブストーリーの映画化。
 
 幼い頃にお互いの夢を語り合い、共に支え合いながら毎日を過ごした智史と花梨と佑司。智史の引っ越しによって離ればなれになってから13年後、彼らは運命的な再会を果たす。子供の頃に交わした約束から生まれる奇跡のような物語を原作のノスタルジックな持ち味を活かしつつも、新たなエピソードや設定を織り交ぜながら、映画としてもオリジナルな作品に仕上げられている感動作。
 
 全編を通して光の使い方がきれいで、この物語が持つやさしい空気感が映像からも伝わってくる。水辺や夕焼け時の印象的なシーン、花梨がいつも身につけているプリズムのネックレスなどの小物が効果的に使われているところからも、監督のこだわりがうかがえてくる。
 
 ただ、原作と映画は別物と考えても、ストーリーが少し早足すぎる感がしないでもなく、ラストに近づくにつれて、泣かせようとする要素が強すぎることに、少しばかりしらけてしまうという人もいるかもしれない。それでも、映画のタイトルである「そのときは彼によろしく」の本当の意味合いがさらに強く残る演出になっている為、最後の最後には単純に感動してしまう。
 
 普段は当たり前のように感じている家族とのつながりや、友達とのつながり。それがとてもかけがえのない、強い絆によるものだということを、この映画は気づかせてくれる。
 
 「いま、会いにゆきます。」同様、ファンタジーな要素が強いので、ただただ素直な気持で観すことをオススメ。


♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_10891.jpgプリズム
 ラストで流れる主題歌は、平川監督演出のドラマではすっかりおなじみの柴崎コウによる1曲。他にも挿入曲をiLL(元スーパーカーのナカコー)や、高木正勝が手がけている。
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# by mi-ai-you-me | 2007-05-17 01:04 | サ行

ママの遺したラブソング


ー悲しい知らせ。それは思いがけない人生の始まりー


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☆cast--------------------------------------
スカーレット・ヨハンソン
ジョン・トラヴォルタ
ゲイブリエル・マック
デボラ・カーラ・アンガー

☆crew------------------------------------
監督:脚本:ジェイニー・ゲイベル






☆ストーリー------------------------------------

 フロリダで怠惰な生活を送るパーシー(スカーレット・ヨハンソン)に、長年会っていなかった母親の訃報が届く。ニューオリンズにある実家へ戻ったパーシーを待っていたのは、二人の見知らぬ母の友人。元は大学で文学を教えていたボビー・ロング(ジョン・トラヴォルタ)と、彼を慕う作家志望のローソン(ゲイブリエル・マック)。嫌々ながらも三人の共同生活が始まる。
新しい生活の中で、パーシーは文学に出会い、ローソンへの恋心を抱き始める。そして、初めて聞いた亡き母の横顔。お互いを支え合い、それぞれの心が癒されようとしていた時、パーシーは母が自分に宛てた一通の手紙を発見する。母が遺したラブソングに込められたある真実とは・・・。

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☆感想----------------------------------------

 最近ではすっかりセクシー路線のスカーレット・ヨハンソンが、少女と大人との間で揺れる繊細な役どころを好演。
 
 親の愛情を知らず、自分の想像で幼い頃の思い出を作り上げて来たパーシー。その彼女が、母の訃報を受けて帰ったニューオリンズで出会ったのが、飲んだくれのボビーと、いつまでも完成することのない本を書き続けているローソン。元大学教授というだけあって、辛辣で少しひねくれもののボビーに最初は反発するパーシーだったが、やがて彼らとの生活の中で、自分自身の生きる道を見いだしていく。どこか世捨て人のようだった、ボビーとローソンの生活もまた、パーシーがやってきたことで、変りはじめる。始めは、彼らの関係性が分からず、話の筋が読みにくいのだが、後に明かされるそれぞれの過去によって、彼らの間にある、複雑な絆を知る事になる。決して逃れることのできない孤独を抱く人々が、お互いと正面から向き合うことで、やがて癒されていく、とてもやさしい物語。
  
 人生は冒険をやめてはならぬ
 長い冒険の果てに
 出発点へ辿り着くのだから
 そして初めて居場所を知るのだ
 ーT.S.エリオット

 過去の文人の言葉でしか、上手く気持ちを表現できないボビー。しかし、その中にはたくさんの生きるためのヒントがある事を彼は教えてくれる。
 
 移り行くニューオリンズの気候と、そこに流れる音楽。時間に捕われず、少しづつ再生を図る人々を描いた作品である為、これといった起伏のある物語ではないのだが、自分もその場に居るような、そんな空気感を楽しませてくれる作品に仕上がっている。派手な展開は期待せずに、ゆったりとした気持ちで観ることをオススメ。


♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_22112327.jpgA Love Song for Bobby Long
I Really Don't Want To Know /John Travolta
 劇中、ボビーがギターを弾きながら歌った曲を、ジョン・トラヴォルタ本人が歌っている。他にも、ロス・ロボス、マジック・スリムなどの曲が、ニューオリンズの四季に彩りを加える。
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# by mi-ai-you-me | 2007-05-12 22:12 | マ行

恋愛睡眠のすすめ


ー夢ではどこまでも幸せ。ー


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☆cast--------------------------------------
ガエル・ガルシア・ベルナル
シャルロット・ゲンズブール
アラン・シャバ
ミウ・ミウ

☆crew------------------------------------
監督:脚本:ミシェル・ゴンドリー






☆ストーリー------------------------------------

 新しい生活に期待を抱き、メキシコから母親(ミウ・ミウ)を頼ってパリにやってきたステファン(ガエル・ガルシア・ベルナル)。しかし、望んでいたイラストレーターの仕事には就くことができず、退屈なカレンダーの製版係として働く毎日にイライラは募るばかり。そんな矢先、アパートの隣の部屋にステファニー(シャルロット・ゲンブルース)というステキな女性が越して来て、ステファンはたちまち恋に落ちてしまう。空回りしっぱなし現実を、夢の中で補うステファンだったが、やがて、夢と現実の区別さえつかなくなり・・・。

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☆感想----------------------------------------

 永遠の少年ミシェル・ゴンドリーが今回メガホンを取ったのは、なんともファンタジーなラブストーリー。最後まで彼の世界観が炸裂しっぱなしの映像とストーリーなので、観る人によっては好き嫌いがハッキリ分かれてしまうかも・・・。
 
 何をやってもいまいち冴えないステファンだけど、夢の中では全てが彼の思うがまま。彼の想像する世界は、いい大人の男性とは思えない程、やけに可愛くて、奇想天外。しかも、夢と現実が混同するあまり、仕事さえ放棄する始末・・・。こんな人、同じ職場にいたら相当迷惑に違いない。そんな困った彼を母親のようなやさしさで包み込むのは、隣の部屋のステファニー。それにしても、このステファニー、ちょっと理解がありすぎる。留守中、壊れた人形を修理する為に彼女の部屋に不法侵入してみたり、他の男性と話してるだけで、激しい焼きもちを焼くステファンに困惑しながらも、結局は許してしまう。彼女の母性が強いからなのか?それとも、彼女自身もステファンと同じ何かを感じているのか?
 
 ステファンが見る夢は、POPな映像のせいもあってか、遊園地みたいで、どこまでも楽しそう。でも、そんな思い通りの夢を見ることができても、現実の彼自身はちっともハッピーじゃない感じ。確かに、生身の人間なのに、現実より夢の世界がリアルに思えるなんて、なんだかちょっと悲しい・・・。全体を通して、ファンタジーとシュールさが程よい感じに混ざり合っていて、笑いどころにちょっと困ってしまう部分もあり。
 
 自身の幼児期の体験や恋愛を元にこの作品を撮った話すミシェル・ゴンドリー。だとすれば、彼のアタマの中って一体どーなってるのか、ますます気になるところ。きっと、デヴィッド・リンチ並に複雑に違いない。この作品にも答えとか求めちゃいけないんだろナ。
 
 演じるガエル・ガルシア・ベルナルは、彼の作品にしてはめずらしくコミカルな役どころ。しかも、あのラテン顔でフランス人とのハーフっていうあたり、かなりムリがあって逆におもしろい。いつもは、顔もキャラもやけに男前なのに背丈が・・・的な印象の彼だけど、このステファン役は、意外にもしっくりきていた気がする。シャルロット・ゲンブルースは、言わずもがな今回もカッコよく、きっと本当の彼女ならステファンのような男性は相手にもしないんだろうと、ちょっと思ったりもして。
 
 あんまり難しいこと考えずに、おもちゃ箱のようなミシェル・ゴンドリーワールドをぜひ楽しんで!
 

♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_1924564.jpgThe Science of Sleep [Original Film Score]
If You Resuce Me / Gael Garcia - Bernal - Alain
 夢の中で、ステファンと会社の同僚が猫の着ぐるみでバンドを組むのだけど、彼らが歌うのは、なんとも甘いラブソング。サントラも映画同様ポップでキュートな曲が満載!
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# by mi-ai-you-me | 2007-05-08 19:32 | ラ行