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アヒルと鴨のコインロッカー


ー神様、この話だけは見ないでほしい。ー


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☆cast--------------------------------------
浜田 岳
瑛太
関 めぐみ
松田 龍平
大塚 寧々


☆crew------------------------------------
監督:中村 義弘
原作:伊坂 幸太郎



☆ストーリー------------------------------------

 僕の名は椎名(浜田 岳)、19歳。大学の入学で一人暮らしをするために、アパートに引っ越してきたその日に、奇妙な隣人の河崎(瑛太)に出会った。彼は初対面だというのにいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ち掛けてきた。彼の標的はたった一冊の広辞苑。そして彼は二年前に起こった、彼の元カノ(関 めぐみ)とブータン人留学生と美人ペットショップ店長(大塚 寧々)にまつわる出来事を語りだす。過去の物語と現在の物語が交錯する中、すべてが明らかになった時、僕はおかしくて切ない真実を見た…。

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☆感想----------------------------------------

ミステリー作家でありながらその枠に留まることなく、独自な世界観と表現力で、多くのファンからの支持を得ている伊坂幸太郎。その彼の作品の中でも、映像化するのは難しいであろうと言われていた今作品を、伊丹十三や雀洋一の元で助監督としての経験を積み、構成力と演出力において評価の高い中村義弘が映画化。
 
 「一緒に、本屋を襲わないか?」
 
 主人公の椎名は、進学の為に仙台に越して来たその日に、隣に住む河崎と名乗る男から、突拍子もない提案を持ち掛けられる。そして河崎から語られる、彼と、彼の元カノとブータン人の3人の物語。やがて一本の線で繋がる事となる2年前に起きたある事件と、今回の本屋の襲撃事件。果たしてそこに隠された真実とは?
 
 原作と同様に、カットバック方式で物語が進行していく今作品。ストーリー自体も原作にほぼ忠実に描かれているので、本を読んでこの話を好きになったという人の期待も裏切ることはないだろう。
 
 黄味がかった夕焼け時の空と、本屋の赤い看板のコントラスト。光を多様した室内でのやりとりなど、全編に渡って映し出されるのはアメリカのロードムービーのような乾いた景色の数々。この作品を描くにふさわしいノスタルジックな映像と、浜田 岳、瑛太 、松田 龍平、関めぐみら俳優陣による時に淡々と、時に感情的な一面を見せるごく普通の若者たちを見事に表現した演技のおかげで、どこかおかしく、とても切ない秀逸な青春ドラマに仕上がっている。ちょっとした偶然から、彼ら3人の物語に途中参加してしまった椎名同様、観ているこちら側も、やがて知ることになる悲しくもやさしい真実に胸を締めつけられるだろう。
 
 原作を読んでから観るのもよし、これを観て原作を読んでみるもこれまたよしの作品。
 

♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_0181027.jpgエッセンシャル・ボブ・ディラン
風に吹かれて /ボブ・ディラン
 劇中、神様と呼ばれている彼が歌うのは、誰もが一度は聴いたことのあるスタンダードなナンバー。物語の核とも言える曲で、全編を通して効果的に使用されている。

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by mi-ai-you-me | 2007-06-26 00:22 | ア行

舞妓Haaaan!!!


ー京都は日本の宝どす。ー


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☆cast--------------------------------------
阿部 サダヲ
堤 真一
柴咲 コウ
小出 早織
京野 ことみ
伊東 四郎
生瀬 勝久

☆crew------------------------------------
監督:水田 伸生
脚本:宮藤 官九郎


☆ストーリー------------------------------------

 鬼塚公彦(阿部 サダヲ)は、東京の食品会社で働く平凡なサラリーマン。ただひとつ異なるのは、熱狂的な舞妓ファンということ。そんな公彦の元に、念願の京都支社への転勤というチャンスが訪れる。同僚で彼女でもある大沢富士子(柴咲 コウ)をあっさりと捨て、意気揚々と京都入り。「一見さんお断り」という最高峰の壁を強引に乗り越え、やっとの思い出お茶屋デビュー!!
 しかし、そんな彼の前に、お金を侍らせお茶屋遊びをするプロ野球のスター選手・内藤(堤 真一)という男が現れる。彼をライバル視する公彦は、見返す為にあの手この手と奮闘する。同じ頃、富士子は公彦を忘れることができず、舞妓になるべくお茶屋修行に励んでいた・・・。

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☆感想----------------------------------------

脚本が宮藤官九郎、主演が阿部サダヲとくれば、おもしろくないわけがないっ! 絶妙なセリフ回しと、軽快なテンポによって、繰り広げられる今作品は、なんとも奇想天外な舞妓ムービー。
 
 三度の飯より舞妓好きなのに、実はお座敷遊び未経験の男・鬼塚。そんな彼が、転勤先の京都で社長から言われたのは、「仕事で結果を出せば、お座敷遊びをさせてやる。」という言葉。念願のお座敷遊びの為ならと躍起になる鬼塚だったが・・・。
 
 仕事もプライベートも全てが舞妓さんの為という純粋なのか、不純なのかよく分からない鬼塚の言動は、もはや理解不能。それでも、その情熱で周りの人を巻き込み、不可能を可能にしていく彼の姿には、ある意味脱帽といった感じがしないでもない。たとえ勘違いヤローでも、やっぱり信じる者は救われるということなのか?この映画を観ていたら、アメリカの「キューティー・ブロンド」という作品を思い出してしまったけど、リース・ウィザースプーンより、確実に阿部サダヲの方がテンション高め。本当の彼自身は、かなりテンション低めな人と聞くから、やはり演技力があるということなのだろう。同じように、脇を固める役者陣も本当のコメディーを演じることのできる演技派ばかりが勢揃い。とにかく全編に渡ってハチャメチャな展開で、正直言えば内容なんてあってないのも一緒。それでもOK!と思ってしまえるのは、さすが宮藤官九郎の為せる業。
 
 テンション上げていきたい時は、ぜひともこの映画をオススメ。座席に座っただけで、気が付けば大爆笑している自分に気づくハズ。


♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_0141271.jpgお・ま・え ローテンションガール
お・ま・え ローテンションガール /グループ魂に柴咲コウが
 グループ魂と柴咲コウがコラボしたエンディングテーマ。途中のラップのところが、ビィスティーみたいで、超ハイテンション!


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by mi-ai-you-me | 2007-06-21 00:17 | マ行

しゃべれども しゃべれども


ーみんな、何とかしたいって思ってる
    今のままじゃ、だめだからー



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☆cast--------------------------------------
国分 太一
香里奈
森永 悠希
松重 豊
八千草 薫
伊東 四郎

☆crew------------------------------------
監督:平山 秀幸
原作:佐藤 多佳子



☆ストーリー------------------------------------

 古典を愛する二つ目の落語家・今昔亭三つ葉(国分 太一)。思うように腕も上がらず、悩んでいる彼のもとに「落語を、話し方を習いたい」とひょんな事から3人の変り者たちが集まって来る。
 すこぶる無愛想で口下手な美人・十河 五月(香里奈)、勝ち気なためにクラスになじめない関西弁少年・村林 優(森永 悠希)、そして、口下手が災いして野球解説の仕事も失いそうなイカつい形相の元プロ野球選手・湯河原 太一(重松 豊)。
 なかなか落後を覚えない。そんな彼らをまとめなくてはならない三つ葉にも恋と仕事の迷いがあって・・・。

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☆感想----------------------------------------

  佐藤 多佳子のベストセラーを、「愛を乞う人」で日本アカデミー賞はじめ、数々の映画祭を総なめした平山 秀幸が映画化。東京の下町を舞台に、しゃべりのプロだが、一向に腕の上がらない落語家と、しゃべる事が苦手な生徒達の心の交流を描いたヒューマンドラマ。 
 
 美人だが無愛想な十河、前向きだけどその性格と関西弁のせいでクラスで浮いてしまっている少年・村林、いかつい形相と口べたが災いして解説者としての評価が最悪の元野球選手・湯河原。この3人の生徒達を通して、一番簡単はずの「言葉」をツールにしたコミュニケ−ションが上手く図れない人々の心の葛藤や、もどかしさがうまく描かれていた。それは、しゃべることを仕事としている三つ葉にとっても同じことで、生徒達に落語を教えることで、彼自身もまた相手に伝わる言葉とはどんなものなのかを学んで行く。
 
 自らのコンプレックスを受け入れ、勇気を出して一歩踏み出そうとする人々。粋なセリフと情緒溢れる風景と共に、彼らが懸命に変ろうとする姿が写し出され、最後には何とも言えない爽快感を味わう事ができる。
 
 これがデビュー作となった、関西少年・村林役の森永 悠希くんがとにかく可愛く、他の役者が食われっぱなしだった。三つ葉の師匠を演じた伊東 四郎や、祖母役の八千草 薫が、いかにも下町気質な粋できっぷのいい人々を好演。
 
 どこにでもいる普通の人々を通し、気持ちを伝えることの大切さを教えてくれる作品。
 

♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_205837.jpg「しゃべれども しゃべれども」オリジナルサウンドトラック
明日天気になぁれ / ゆず
 ラストで流れるのは、映画の雰囲気にもぴったりなゆずによる一曲。



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by mi-ai-you-me | 2007-06-09 04:28 | サ行

主人公は僕だった


ー男は悩んでいた。自分だけに聴こえる、作家の声に。ー


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☆cast--------------------------------------
ウィル・フェレル
エマ・トンプソン
ダスティン・ホフマン
クイーン・ラティファ
マギー・ギレンホール

☆crew------------------------------------
監督:マーク・フォースター
脚本:ザック・ヘルム




☆ストーリー------------------------------------
 
 国税局に勤めるハロルド・クリック(ウィル・フェレル)は、毎朝同じ時間に目覚め、同じ回数歯を磨き、同じ歩数でバス停まで行き、会計監査官の仕事をこなして、毎晩同じ時間に眠る。そんな几帳面すぎる毎日を送っていたハロルドに、ある朝突然、彼の行動を性格に描写する女性のナレーションが聞こえてくる。声の主は、悲劇作家のカレン・アイフル(エマ・トンプソン)。10年の沈黙を破る最高傑作の完成を目の前にした彼女が、ラストでいかにして死なせようかを悩んでいる主人公こそ、ハロルドだったのだ。なんとか自分の物語を変えようと生活を変え始めるハロルド。パン屋で働く魅力的な女性アナ(マギー・ギレンホール)に恋をしたり、子供の頃に夢だったギターを弾きはじめたりするうちに、愛すべき姿に変わり始めた彼の人生を、ハロルドは守ることができるのだろうか?

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☆感想----------------------------------------

 「チョコレート」や「ネバーランド」のマーク・フォスターがメガホンを取り、ここ最近出演作が立て続けにヒットを飛ばしているコメディ俳優ウィル・フェレルが主演するこれまでにないひねりの利いたヒューマン・コメディー。
 
 平凡に思えた自分の人生が、ある日突然終わってしまうと宣言されたハロルド。しかも、その筋書きを書いているのは、なんと実在する悲劇作家だった!ユニークなストーリー展開もさることながら、出演している俳優たちの淡々としながらも、どこかおかしい演技が何とも言えず、気が付くとクスっと笑ってしまう。
 
 生きている以上、人には逃れられない運命がある。たとえば、生まれた場所、人種、時代。でも、そこから先は、ほんの少しの勇気と、変えようと思う意思さえあれば、いくらでも道は開けていくもの。死を宣言され、それから逃れる為に奮闘し、人生を謳歌し始めるハロルドがやがて迎えることになる結末を知れば、自分の人生の筋書きを決めるのは、神様でも小説家でもなく、自分以外の何者でもないということに気づくことができるだろう。それと同時に、この物語は人は生きてること自体がすでにドラマだということを教えてくれる。劇的な何かが起こらなくても、日々起こる小さな出来事全てにはちゃんと意味があり、それを感じ取ることができれば、毎日は十分にドラマチックなのだ。それに気づいた時こそ、人生において自分こそが紛れもない主人公だと思えるようになるのではないだろうか。
 
 個人的に苦手だったウィル・フェレルが、今回はあまりアクの強くない抑えた演技で愛すべき平凡男ハロルドを好演。相手役のマギー・ギレンホールは、「こうあるべき」ではなく「こうありたい」と思う生き方をしている女性を演じていて、とてもカッコイイ!シリアスだけど、どこか笑えて、最後にホロっとさせられるとてもステキな作品。

 毎日がなんとなく同じ事の繰り返しに感じてしまっているような時は、ぜひこの作品で気持ちをリフレッシュしてみて!


♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_0131361.jpgStranger Than Fiction
The Book I Write / Spoon
 SpoonのBritt Danielがこの映画のために書き下ろした最新曲。全体的にも心地良いポップサウンドがてんこもりで、ソフィア・コッポラ作品などのサントラが好きなら、ぜひオススメ!

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by mi-ai-you-me | 2007-06-07 00:19 | サ行

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ


ーやっぱお姉ちゃんは、最高に面白いよ。ー


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☆cast--------------------------------------
佐藤 江梨子
佐津川 愛美
永作 博美
永瀬 正敏

☆crew------------------------------------
監督:吉田 大八
原作:本谷 有希子





☆ストーリー------------------------------------

 両親の訃報を受け、東京から田舎に戻って来た姉・澄伽(佐藤 江梨子)。女優を目指して上京したが、実は自意識過剰な勘違い女。そんな姉を題材にホラー漫画を描いて家族を町中の笑いモノにしたが為に、鬱屈とした日々を送る妹・清深(佐津川 愛美)。その義理の兄(永瀬 正敏)と兄嫁(永作 博美)も巻き込んだ、姉の帰省から始まる可笑しくて壮絶な姉妹バトルが今、幕を開ける!!

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☆感想----------------------------------------
 
 「劇団・本谷有希子」を率い、女優、作家、演出家とマルチな活動を繰り広げている本谷有希子。その代表作でもあり、戯曲や小説化もされている今作品をCM界でキャリアの長い吉田大八がメガホンをとり映画化。
 
 自信過剰で傲慢な姉・澄伽と、彼女に怯えながらも実はしたたかな妹・清深。その二人の板挟みになりながらも、ある事情から澄伽に強い態度を取れない義兄とウザイ程に超お人好しな兄嫁。そんな腑抜け揃いの家族が織りなす壮絶なまでのバトルが、ブラックユーモアたっぷりに描かれている。
 
 女優になれない事を、妹や、環境のせいにして、自分は特別な人間だと信じて止まない澄伽。正直、友達にはしたくないけど、嫌なヤツとも思えない。誰もが自分の中に持つエゴを丸出しにして生きる彼女には、見ていて気持ちの良ささえ感じると共に、彼女に虐げられ弱者のように見えてた妹の清深がラストで見せる本性にゾクっとさせられる。携帯の電波も届かないような片田舎が舞台の為、まるで金田一シリーズのようなある種独特の空気感が漂っているが、実は描かれているのは、どこにでもある家族の日常。もちろんここまで複雑ではないにしても、どこの家もいろんな事情を抱えているのがあたりまえなワケで、そんな人間たちの中で、一見一番まともで悩みがなさそうに見える兄嫁が逆に異質に見えるのがおもしろい。
 
 本谷有希子の文章から感じられる少しウェットで、リアリティのある世界観を期待すると、あまりに単純明快であっけらかんと仕上げてあるので、少し気が抜けてしまうのだけど、嫌悪感を抱かない程度のブラックなユーモアが満載で、最後まで小笑いしながら楽しめる作品になっている。6割くらいは彼女のおかげと言っても過言じゃないくらいおもしろすぎる永作博美の演技にも注目!
 

♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_295080.jpgとび魚のバタフライ
世界が終わる夜に /チャットモンチー
 脱力感のある外見とは裏腹にかなりパンチの効いた音を聞かせてくれるガールズバンド。映画のラストを飾るこの曲は、試写の際にナマで聴くことができたのだけど、かなりオススメ!

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by mi-ai-you-me | 2007-06-01 00:38 | ハ行