カテゴリ:ア行( 3 )

オフサイドガールズ


ーお願いだから、試合を見せて!。ー


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☆cast--------------------------------------
シマ・モバラク・シャヒ
サファル・サマンダール
シャイヤステ・イラニ 

☆crew------------------------------------
監督:ジャファル・パナヒ
脚本:ジャドメヘル・ラスティン 






☆ストーリー------------------------------------

 イランの首都テヘランで、ワールドカップ出場がかかった対バーレーン戦が開催される。地元のサッカー好きの少女たちは男装してスタジアムに潜り込もうとするが、警備中の兵士に捕まってしまう。

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☆感想----------------------------------------

 「チャルドと生きる」で、現代のイラン女性たちが直面している厳しい現実をリアルに描き、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞などを受賞したジャファル・パナヒ監督。その彼の新作は、第56回ベルリン映画祭で銀熊賞を受賞し、男性のスポーツを女性が観戦してはいけないというイスラムの戒律下で、サッカー観戦をすべく奮闘する女の子たちを主人公にした青春ムービー。

 イランの首都テヘランで開催された、2006年のワールドカップ出場を決めるアジア最終予選イランvsバーレーン戦。そんな国を挙げての大イベントだというのに、宗教上の問題から女性は、熱気に満ちたスタジアムで試合を観戦する事ができない。でも、好きなものは好きっ!どうしてもナマで試合を観戦したい女の子たちが、スタジアムへの道を遮る検問を突破すべく考えついたのは、男装すること。髪を帽子の中に隠し、顔にペインティングを施し、なんとか女性だとバレないようにするも、あえなく捕まってしまい、歓声だけが聞こえるスタジアムの外で警備員たちと押し問答するハメに。しかし、最初こそ険悪だった彼らの間にも、やがて奇妙な連帯感が生まれ始める・・・。

 イスラム教の厳しい規律によって、男女間における格差が生じているイラン。これまでも様々な作品の中でイスラム社会に生きる女性たちの苦悩が描かれてきたが、今回パナヒ監督は、伝統的なイスラム映画でありながらも、誰もが楽しめるエンタテインメント作品を目指したという。プロパガンダ的なものではなく、ありのままのイスラム社会における女性たちの現状を描いているこの作品は、実際にイランvsバーレーン戦の最中に撮られ、勝利の歓喜に酔う街中のシーンなどは、とても臨場感溢れるものに仕上がっていた。この作品の中の女の子たちのように、古い戒律からなんとか脱したいと願う女性が、現在のイスラム社会には多く存在しているに違いない。しかし、残念ながら、厳しい検閲によって、この映画はイラン国内では上映されていないというのが現状らしい。

 重いテーマでありながらも、最後にはなんとも言えぬ幸福感が満ち溢れ、「当たり前のことを当たり前にできる社会。」それがどんなに幸せなことなのかを、気づかせてくれる爽やかな感動作。これまでイラン映画はちょっと・・・と思っていた人、食わず嫌いせずにぜひぜひどーぞ。


♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

今回は、お休みでス。


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by mi-ai-you-me | 2007-09-21 22:26 | ア行

アヒルと鴨のコインロッカー


ー神様、この話だけは見ないでほしい。ー


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☆cast--------------------------------------
浜田 岳
瑛太
関 めぐみ
松田 龍平
大塚 寧々


☆crew------------------------------------
監督:中村 義弘
原作:伊坂 幸太郎



☆ストーリー------------------------------------

 僕の名は椎名(浜田 岳)、19歳。大学の入学で一人暮らしをするために、アパートに引っ越してきたその日に、奇妙な隣人の河崎(瑛太)に出会った。彼は初対面だというのにいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ち掛けてきた。彼の標的はたった一冊の広辞苑。そして彼は二年前に起こった、彼の元カノ(関 めぐみ)とブータン人留学生と美人ペットショップ店長(大塚 寧々)にまつわる出来事を語りだす。過去の物語と現在の物語が交錯する中、すべてが明らかになった時、僕はおかしくて切ない真実を見た…。

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☆感想----------------------------------------

ミステリー作家でありながらその枠に留まることなく、独自な世界観と表現力で、多くのファンからの支持を得ている伊坂幸太郎。その彼の作品の中でも、映像化するのは難しいであろうと言われていた今作品を、伊丹十三や雀洋一の元で助監督としての経験を積み、構成力と演出力において評価の高い中村義弘が映画化。
 
 「一緒に、本屋を襲わないか?」
 
 主人公の椎名は、進学の為に仙台に越して来たその日に、隣に住む河崎と名乗る男から、突拍子もない提案を持ち掛けられる。そして河崎から語られる、彼と、彼の元カノとブータン人の3人の物語。やがて一本の線で繋がる事となる2年前に起きたある事件と、今回の本屋の襲撃事件。果たしてそこに隠された真実とは?
 
 原作と同様に、カットバック方式で物語が進行していく今作品。ストーリー自体も原作にほぼ忠実に描かれているので、本を読んでこの話を好きになったという人の期待も裏切ることはないだろう。
 
 黄味がかった夕焼け時の空と、本屋の赤い看板のコントラスト。光を多様した室内でのやりとりなど、全編に渡って映し出されるのはアメリカのロードムービーのような乾いた景色の数々。この作品を描くにふさわしいノスタルジックな映像と、浜田 岳、瑛太 、松田 龍平、関めぐみら俳優陣による時に淡々と、時に感情的な一面を見せるごく普通の若者たちを見事に表現した演技のおかげで、どこかおかしく、とても切ない秀逸な青春ドラマに仕上がっている。ちょっとした偶然から、彼ら3人の物語に途中参加してしまった椎名同様、観ているこちら側も、やがて知ることになる悲しくもやさしい真実に胸を締めつけられるだろう。
 
 原作を読んでから観るのもよし、これを観て原作を読んでみるもこれまたよしの作品。
 

♪ pick up song ♪--------------------------------------------------------------------------

e0110110_0181027.jpgエッセンシャル・ボブ・ディラン
風に吹かれて /ボブ・ディラン
 劇中、神様と呼ばれている彼が歌うのは、誰もが一度は聴いたことのあるスタンダードなナンバー。物語の核とも言える曲で、全編を通して効果的に使用されている。

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by mi-ai-you-me | 2007-06-26 00:22 | ア行

エターナル・サンシャイン

      
ー恋の痛みを知るすべての人へー


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 ☆cast--------------------------------------
 ジム・キャリー
 ケイト・ウィンスレット
 キルスティン・ダンスト
 イライジャ・ウッド
 マーク・ラファロ

 ☆crew------------------------------------
 監督:ミシェル・ゴンドリー
 脚本:チャーリー・カフマン




☆ストーリー------------------------------------

 バレンタイン目前のある日、ジョエル(ジム・キャリー)は不思議な手紙を受け取る。そこに書かれていたのは、喧嘩別れをしてしまった恋人クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)が自分との記憶を消去する手術を受けたという内容だった。ショックを受けたジョエルは、自らも彼女との思い出を忘れるために、記憶除去を専門とするラクーナ社を訪れる。そこで行っている手術は、寝ている間に、脳の中の特定の記憶だけを消し去ることができるという便利なもの。現在から過去へ記憶が甦っては消えてゆくうちに、彼は手術を中止したいと思い始める。
そこには、忘れられない彼女とのステキな日々があったのだ・・・。

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☆感想----------------------------------------

 誰かを好きになり、それを失った経験があれば、その記憶を消してしまいたいと思ったことのある人もたくさんいるはず・・・。胸のズキズキや、孤独な気持ちを乗り越えるために、ひとりbitterな時間を過ごすくらいなら、一瞬にして忘れてしまえれば、どんなに楽なことか・・・。それでも、記憶を辿れば、そこには楽しかったり、happyな時間がちゃんと存在しているワケで、そんなキラキラした気持ちを経験したからこそ、人はまた恋をするのじゃないかな〜なんて思ってしまうのも確かだったりする。
 
 いつか別れがくるとしても、人と出会うことは、かけがえのない出来事で、その記憶をなかったことになんてできない。映画のラストで、ジョエルとクレメンタインに起こる素敵な奇跡には、そんなメッセージが込められているのではないだろうか。
 
 正直、チャーリー・カウフマンの映画は得意じゃないので、どんなもんだろ?と思っていたのだけど、コレは恋愛がテーマという事もあって、結構すんなりと話の中に入り込むことができた。それでも、考え方によっては、相当難しい内容だったりするのかもしれないけど・・・・。
 
 シリアスなジム・キャリーと、破天荒なケイト・ウィンスレットというキャスティングも、意外性があって、わりとリアルな感じに仕上がっていたし、何よりミシェル・ゴンドリーの映像が最高! 最新技術は極力使わず、目の錯覚を利用した彼独特の世界観には、逆に新しささえ感じてしまう。
 
 恋を忘れたい時、恋をしたい時、何度も繰り返し観たくなるような、そんな作品。


♪ pick up song  ♪-------------------------------------------------------------------------

e0110110_020012.jpgDefinitive Collection
Mr Blue Sky / Electric Light Orchestra
 全編を通して、せつなくポップな音楽たちがちりばめられているこの映画。サントラに収録されるなかで、予告編でも使用されているこの曲は、70年代に全米で活躍したELOの名曲。
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by mi-ai-you-me | 2007-01-26 21:02 | ア行